ブログ
「全部の自分で生きて行けるように」フロアタイム × TEACCH 平衡型アプローチ
フロアタイム× TEACCH 平衡型アプローチ的視点からの分析
1️⃣ なぜ両方必要か?
🌿 フロアタイム(DIR)
関係の中で情緒を育てる
崩れた瞬間を成長の機会にする
「気持ち」に寄り添う
📘 TEACCH
環境を構造化する
見通しを持たせて不安を減らす
行動を整理し成功体験を増やす
👉 どちらか一方では不十分
👉 「心」と「環境」の両方を支えるのが平衡型
2️⃣ 〇君の支援課題(共通理解)
✔ 仲間に入りたい気持ちは強い
✔ 不安が高まると防衛的になる
✔ 注意されると関係を切りやすい
✔ 予測不能な場面で衝動が出やすい
3️⃣ 平衡型支援の基本原則
🟢 心はフロアタイムで支える
・嫌と言われた時の表情を見る
・崩れそうな瞬間にトーンを落とす
・「怒った?」ではなく「怖かった?」と聞く
・成功後は関係継続を評価する
🔹 合言葉:「場に残れたら成功」
🔵 行動はTEACCHで支える
・ルールを事前に視覚提示
・壊していい/ダメの明確化
・役割をわかりやすく言語化
🔹 合言葉:「不安には構造」
4️⃣ 実際の流れ(ゲーム場面例)
🟦 ① 事前(TEACCH)
□ 今日のルール掲示
□ 役割決め
□ 破壊可能エリア確認
↓
🟩 ② 崩れそうな瞬間(フロアタイム)
□ 声を落とす
□ 視線を柔らかく
□ 「嫌だったかな?」
↓
🟦 ③ 修正後(両方)
□ 継続できたことを評価
□ 次回に向けてルール確認
5️⃣ スタッフ統一ポイント
❌ すぐに正誤で裁かない
❌ 防衛発言に議論で返さない
⭕ 不安を見る
⭕ 環境を整える
⭕ 小さな修正を評価する
6️⃣ 今回の質的前進
今回の成功は、
✔ 他者感情を受け取れた
✔ 行動を部分修正できた
✔ 関係を切らなかった
→ 情緒調整と構造支援がかみ合った結果。
🌈 ほしのこの支援哲学
「子どもを変える」のではなく
🔹 安心できる関係をつくる
🔹 安心できる構造をつくる
その中で、子どもが育つていきます。
全部の自分で、生きていけるように
土曜日の午後、こんな場面がありました。
お友達とのコミュニケーションをとるのが苦手な小学2年生の男の子。イライラするとすぐに手が出たり、物に八つ当たりをしてしまいます。この日は、午後からswitchゲームのマイクラを交代でやりました。「やらない」と言いながらも1番先にコントローラーを持っていた〇君(笑)。マイクラは大画面で3分割し同じ空間で遊ばなければなりません。以前から水族館を作っていたお友達から「壊さないでね」と注意をされていましたが、〇君はゲームの中でいろんないたずらをはじめ不穏な空気になっていました。スタッフが間に入り「お友達が一生懸命作ったものは壊さないほうがいいと思うよ」と伝え、どうやったらこの中で遊べるかを一緒にお友達と考えてもらいました。お友達は「壊さないならいいよ」「離れたところならいいよ」といくつか〇君も一緒に遊べる案を提案してくれました。〇君は表情がこわばっていましたが、それでもコントローラーを手放さずに怒りを我慢し、その案を聞き入れ、少し離れたところの地下に穴を掘って爆発をさせて発散していました。2人の男の子は我慢しつつも少し不満そう・・・どうするかなぁと思っていたら、最終的には水族館から離れ別のステージに行って戦いをすることになり、子ども同士で問題を解決することができました。2人の男の子の思いもいろいろあったと思いますが、ずごいのは〇君が怒りを爆発させずにその場にとどまり、最後までお友達と遊べたことです!!
このような経験は子どもにとって何よりも大事な経験だと考えています。
子ども達とのかかわりを続ける中で、私が大切にしてきたことがあります。
精神科医ウィニコットは、
「子どもは「存在するために遊ぶ」と述べました。
そして、子どもが安心して自分を表現できるかどうかは、
その子を取り巻く環境によって大きく左右されると考えました。」
私はこの言葉に、何度も支えられてきました。
子どもたちは、優しさだけでできているわけではありません。
怒りや悔しさ、強い言葉や乱暴な表現が出ることもあります。
かつては、それらをどうやってなくすかを考えていました。
けれど今は、消すことが成長なのではなく、
どう扱えるようになるかが成長なのだと感じています。
人は誰もが、
優しさと同時に攻撃性も持っています。
それを排除するのではなく、
安心できる関係の中で少しずつ統合していくこと。
ほしのこでは、
感情の存在は否定しません。
けれど、人を傷つける行動はそのままにしません。
存在は受け止める。
行動は社会の中で使える形へと育てる。
その両立を支えるのは、
大人のまなざしと、環境のあり方だと私たちは考えています。
特に自閉傾向のある子どもたちは、
言葉や感情の使い分けに時間がかかることがあります。
だからこそ、急いで整えるのではなく、
安心して試し、学び直せる環境を整えることを大切にしています。
成熟とは、怒りを持たないことではなく、
怒りを持ちながらも関係を壊さずに生きていけること。
ほしのこは、「良い子」を育てる場所ではなく、
全部の自分を持ちながら
社会の中で生きていく力を育てる場所
でありたいと願っています。
これからも、
子どもたちを取り巻く“環境そのもの”を大切にしながら、
一人ひとりの心の育ちに寄り添っていきます。
以前のおひさまクラブの記事→「情緒と感情」
子ども達の活動の様子と理論をつなげるように書き記しています。
参考になれば幸いです。
卒園~これまでの日々
ほしのこキッズの母です。
息子は年長で、春からは支援学校の一年生。
このタイミングで、今までを振り返ってみようと思います。

息子は、最重度知的障害(A1)・自閉症・ADHD・喘息持ち。
知的には1歳3ヶ月。
発達退行した折れ曲がり型です。
どこに行っても、ぶっちぎりな発達特性をもつ息子。
ですが障害の程度と暮らしやすさは、必ずしもイコールではないのだと、息子を見ていて思います。
息子は、まわりの人の期待に応えることをしません。
しゃべれないし
あいさつもしないし(タッチはできるようになりました♡)
子どもが喜びそうなものもプイッとしたりして。
その姿を見るたびに、わたしはジワリと罪悪感がありました。
でも、よくよく見ると。
息子は、あいさつをしてもしなくても
みんなと同じようにできなくても
子どもたちのなかで、自然に溶け込んで過ごしていました。
わたしの常識には当てはまらない、やさしい息子の世界が、そこにはありました。
入園から卒園まで、
先生方もまわりのご家族からもイヤな思いをすることなく
いつもあたたかく見守って、声をかけてくれました。
ほかにも関わってくださる方が優しくて、
それはとてつもないラッキーなことで。
息子は、人に恵まれる運をもってると思っています。
ここほしのことの出会いも、
幼稚園の先生がきっかけでした。
レオさんに最初に言われた言葉。
「発達には段階がある。
まずは、息子くんにとって、
ここが安心で、好きなことを思いきりできる。
ありのままの自分でいられる場所にできるように。
そこを満たせば、他者への興味が出てきて、
次の段階に自然と進む。」
自然に?
びっくりでしたが
話を聞くにつれ、そうだよなぁ、それが自然だなぁ、と思いました。
利用しはじめて、わりとすぐに息子と目が合うようになりました。
「あ、これはいい。
息子にあってる。」
と思いました。
┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈
息子は、ゆっくりマイペースに成長しています。
ゆっくりすぎて見落としそうなことも、
小さすぎて、側からみると当たり前なことも。
みんなで喜んだり、悩んだり、感動したりしながら過ごしています。
子どもの障害がわかったとき、母として、強くならなきゃ。変わらなきゃ。
と思っていました。
今はそう思いません。
強い時もあれば、弱い時もある。
わたしのままで子育てをしています。
それでいいんじゃないかな、と思っています。
雨の日のほしのこ
雨の日、いつもは外で思いきり遊ぶ子どもたちが室内で過ごしました。
スタッフは少し心配していましたが、子どもたちはそれぞれのペースで遊びを見つけ、行き来しながら自然に交わっていました。
小雨の時に傘をさして、散歩に行く子もいましたが
気持ちが整えばお部屋に入っておやつ作りをしたり
大好きなお友達とじゃれあったりしました。
お友達との距離感の難しさはありますが
体験をすることで、スタッフが声をかけて調整することができます。
小さな揉め事も多々ありましたが、それも大切な経験。
感情が動き、ぶつかり、また戻る。
10人の子どもたちが同じ空間で過ごしながらも、それぞれが自分を保てていたこと。
それは、安心できる土台が少しずつ育っている証だと感じました。
イラストで様子を紹介します👇
ここからは少し専門的になりますが、読みたい方だけ読んで下さいね。
🌱 子ども集団の発達段階(療育の現場で~)
※年齢ではなく「関係の成熟度」で見ます。
🔵 第1段階:同じ空間にいられない集団
特徴
-
個々がバラバラに動く
-
誰かが崩れると連鎖する
-
刺激に過敏
-
大人の制御が強く必要
ここでは
「集団」はまだ成立していません。
🟡 第2段階:管理によって成り立つ集団
特徴
-
大人の指示で動く
-
ルールがあると安定
-
崩れそうになると大人が即介入
-
静か=安定になりやすい
これは多くの施設が目指す“形の安定”です。
でも、まだ自律的ではありません。
🟢 第3段階:ゆるやかな相互調整が起きる集団
ここが、今回の雨の日の様子に近いです。
特徴
-
行き来が自然に起きる
-
揉め事はあるが崩壊しない
-
子ども同士で距離調整をする
-
大人は全面に出ない
-
個と集団が両立している
これは
自己調整 × 他者調整 × 環境理解
が育ち始めている状態です。
🔶 第4段階:協同創造が生まれる集団
特徴
-
自然な役割分担
-
自発的なルール形成
-
トラブル後の修復が早い
-
集団に安心して挑戦できる
ここまでいくと、
集団そのものが発達を引き上げます。
今日の状況は第3段階自己調整 × 他者調整 × 環境理解が育ち始めています。
管理しない・放任でもない・ 関係の土台を育み
共に育ちあう子ども達の姿に出会えた素敵な雨の日でした。




