日記
アンビバレントな心
我が子が
「おしっこがトイレでできない」
「箸を使いたがらない」
「爪切りをしたがらない」などなど・・・
生活の中での困りごとはたくさんあります。
上記のような問題は、発達に問題があろうが、なかろうが、子育ての中では必ずと言っていいほどぶつかる問題です。
特に3,4歳児さんの反抗期(自立期)は、大人が指示・命令をすればするほど、言うことを聞かなくなる場合もよくあることです。
子どもの心が成長してくるとアンビバレンス(両価性)の心「愛情と憎悪」「尊敬と軽蔑」どちらの感情も持つようになり、非常に複雑になってきます。
子どもにアンビバレンスな心が芽生えるということは、悪いことではなく、物事をいろんな角度からとらえることができるようになる大事な土台が育っているのだ認識すると、子どもに対する見方が少し違ってくるかもしれません。
例えば
「トイレは嫌だ」と言いつつも、本当は「おしっこに行きたい」
「ママ大嫌い」と言いつつも、本当は「ママ大好き」
というようなことはよくあることです。
そんな時、大人はありのままの子どもの気持ちを受け止め、そして、子どもと同じトーンにならずに少し引いたところから、子どもの心の葛藤の時間を大切にして欲しいと思っています。
そういう感情経験は、子どもがアンビバレントな心に「耐える力」と「考える力」を育み、ひいては「精神的な自立」に繋がっていくのだと考えています。
セルフセスティーム(自己肯定感)とは
赤ちゃん学会の公開講演では、えじそんクラブの高山先生が「親や先生が抱えるストレスマネージメント方法~ADHD当事者として支援者として~」という内容で講演されました。
印象に残った言葉が自己肯定感(セルフエスティーム)
他の子と比べてできたことをほめる自己肯定感は急降下しやすく危険があります。
真のセルフセスティームとは自分らしくいられる、不完全な自分を好きになることが大切だと強調されていました。
「安心して失敗できる場所を~」
「教育虐待にならない」
「普通を目指さない」
「上手くいく条件を探す」
「不完全な自分を好きになる」
高山先生の言葉はひとこと一言が胸に突き刺さり、ほしのこの療育に大切なことだと感じました。
アタッチメントについて
6月28日に「アタッチメント」についての学習会を開催しました。
久々の学習会でしたが、同じテーマをみんなで共有することは深い学びになります。
学習会の一部をご紹介します。
「アタッチメント」とは?
怖れや不安などのネガティブな感情を経験したときに、身体的な意味でも、あるいは心理的な意味でも、誰か特定の人にくっつきたい、近くにいたいと強く願う欲求、そして現にくっつこうとする、近づこうとする行動の傾向を指して言います。
くっつくことでその恐れや不安の感情から立ち直り、また元の平常状態に戻ることができます。
アタッチメントとスキンシップとは明らかに区別されるべきものです。
子どもが安定して「安心感の輪」を回れるように支えてあげよう
養育者を「安心の基地」として、そこを拠点に活動の範囲を広げ、いろいろなことにチャレンジしながら思い切り遊び、探索や冒険を楽しむことができます。
また、小さな子どもにとっては遊びと学びはまさに表裏一体ですから、この基地がしっかりしていれば、子どもは自然と自律的に学ぶこともできますし、また自分一人で何かができるという自信の感覚も身につけることができるということになります。
生涯の礎となるアタッチメント
人の生涯発達を支える礎として、幼少期における子どもと養育者とのアタッチメントの重要性に関心が寄せられるようになってきています。社会生活、精神疾患、病気などにも影響すると言われています。
子育てには「躾」「勉強」「協調性」「社会性」「健康」「自立」など様々な大切なことはあるかと思いますが、その基礎となるのは「アタッチメント」なのではないかと思います。子どもが何歳になっても、行き詰ったとき「アタッチメント」について考えてみるといいのではないでしょうか?遠藤先生は大人になってからも一生アタッチメントは大切なことだと言われています。
日本赤ちゃん学会第22回学術集会
毎年参加している赤ちゃん学会が今日から開催されます。
↓
残念ならが今年もzoomでの参加となりますが・・・
でも、どこにいても参加できるの、ありがたいことでもあります。
今年も興味ある内容が盛りだくさんに企画されているので参加できるのが楽しみです。
ストレス予防接種
私達大人は「ストレス=害」だと思い過ぎて、子どもが泣いたり、不安になったり、怒ったりすることを極度に恐れている大人が多いなぁと感じます。
東京大学大学院研究科教授の遠藤利彦先生は「ストレス予防接種」を下記のように言われています。
大人の庇護のもとから独り立ちしていく過程で、子どもは少しずつ自分の思い通りにならないことにも遭遇するようになる。しかし乳幼児の子どもは、こうした適度なフラストレーションやストレスにさらされることも、心のたくましさを身につけていくうえできわめて大切である。乳幼児期のストレス予防接種が将来のストレスに耐えうるたくましさ(レジリエンス)の土台をつくる。
過保護や過干渉が度を超すと、子どもは乳幼児期に適度なフラストレーションやストレスを経験できない。 ↓ 「自分がしなくても誰かがやってくれるが当たり前に」
通常の予防接種が、将来的に身体が重い病気につながら菌やウィルスにしっかりと対抗できるだけの強さを獲得できるのと同じように、心も発達早期に適度はストレスを経験しておくことで、将来重篤なストレスにも耐えられるだけのたくましさを身につけることができる ↓ 「自分でなんとかしなくちゃ」
|
遊びの中で子ども達は、いろんなストレスと向き合い自分の力で頑張っている様子が伺われます。
大人は子どもの成長の邪魔をせずに、見守り励ませるようになれたらいいなぁと思っています。